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273月/110

『ドミニオン:海辺』のカードの知られざる歴史

今週の記事は、BoardGameGeekのフォーラムから、The Secret History of the Seaside Cards というポストの翻訳です。カードゲーム『ドミニオン』の作者である Donald X. Vaccarino 本人が、拡張セット『海辺』のそれぞれのカードのデザインの過程について語った内容です。

なお、この記事はシリーズとして、これまでに発売された各セットについて書かれています。基本セットの分である『ドミニオン』のカードの知られざる歴史と、『陰謀』の分である『ドミニオン:陰謀』のカードの知られざる歴史は、当サイトでも翻訳して掲載済みです。

それでは、以下からが本文です。

『ドミニオン:海辺』のカードの知られざる歴史

はじめに、カードの束があった。ある日私は、よし、これを基本セットにして、これをひとつ目の拡張セットにして、これを二つ目の拡張セットにしよう、と決めていった。私はすべてのものを、メカニックのテーマに基づいて分割した。

もともと、二つ目の拡張セットには二つのテーマがあった。どちらのテーマにも可能性があったから、私はそれを二つのセットに分け、それぞれのテーマをさらに押し広げることにした。『海辺』には「次のターン」というテーマが与えられた。もう一方のテーマを与えられた拡張セットをお目にかけるまでは、まだ数年かかるだろう。

開発が始まるまでのほとんどの期間、このセットは20枚のカードで構成されていた。少しの間16枚にして入念にテストしたこともあったが、だいたいの期間は20枚だった。だが開発に入り、ご存知のとおり25枚になった。『陰謀』が最終的に25枚になったから、このセットもそうなるのは自然なことだったわけだ。開発中には、プレイマットやカウンターの代わりにカードを使っていたので、製品版でもそうなるだろうと私は思っていた。しかし、結局はプレイマットとカウンターを使うことになり、空きスペースができることになった。そういうわけでこのセットには、最終的に26枚のカードが収録されることになったんだ。

それじゃあカードの話をしよう!

〈大使〉

もともとは、このカードの効果は、他のプレイヤーに直接カードを渡すものだった(十分な枚数を持っていない場合には、サプライからとることにしていた)。でも、最初からサプライのカードをとるようにして、よりシンプルにしたんだ。ただそのバージョンは、プレイヤーの人数に等しい枚数のカードを、自分の手札から取り除く効果も持っていた。だけど4人でのゲームでは取り除く枚数が多くなりすぎるから、一度に2枚までになった。

〈大使〉はこのセットの中でもっとも古いカードのうちのひとつだ。五枚のカードが最初期のバージョンからあまり変わらずに残っている――〈大使〉〈停泊所〉〈商船〉〈前哨地〉〈船着場〉だ。〈巾着切り〉と〈海の妖婆〉も関連するカードが最初期からあったけれど、大きく変更された。

〈バザー〉

バニラカードだ。後のセットに入っていたが、〈村〉がもう一枚ほしかったのでこのセットに持ってきた。ちょうど〈市場〉のために発注したイラストがふたつあったので、〈市場〉に使わなかった方をこちらに使った。

〈隊商〉

開発が始まる前からあったけれど、Jayがこのゲームの出版を決めたときよりは後に作られたカードだ。長い間、継続カードは使用時に脇に置き、次のターンに手札に加えるという使い方だった。そのやり方はフレーバー的には今よりよかったのだが、出版されたバージョンではもうちょっとシンプルな方法になっている。

〈巾着切り〉

これは「このターン、カードのコストは1コイン減少する。あなたの次のターンまで、カードのコストは1コイン増加する」という効果から始まった。このカードが取り除かれるタイミングは、他の継続カードとは異なっていた――使用者のターンの終わりではなく、その前のプレイヤーのターンの終わりに取り除かれるんだ。デベロッパーたちはこれをよしとしなかった。私は、「+2コイン。財宝カードの名前をひとつ指定し、他のプレイヤーはそれを捨札にする」という効果に変更してみた。だがそれでは強すぎた。〈金貨〉を何度も捨てさせられるまでもなく、すぐにうんざりさせられてしまう。対象を〈銅貨〉のみに限ることで、それを抑えることにした。序盤で何度も使われることになれば、まだちゃんと煩わしいものになっている。

〈抑留〉

これはもともと、「+1カード。+1アクション。アクションか財宝の山をひとつ選ぶ。あなたの次のターンまで、他のプレイヤーはそれを購入できない」という効果だった。これも〈巾着切り〉と同じく、基準から外れたタイミングで機能していた。また、購入できないことを覚えておかなければならないという問題もあった。だから私は、使用したこのカードをその山のところに置き、その山から購入した場合には〈呪い〉を受け取らなければならないという効果に変更した。私が気に入っているのは、購入を完全には禁止しないところだ。〈抑留〉を使われても、まだその山から購入することはできる。〈呪い〉を受け取るだけの価値がそこにあるかどうかを判断しなければならなくなるわけだ。またこの効果なら、どの山に使用しても問題ない*1。しばらくの間は〈抑留〉のカード自体を山に置いていたけれど、最終的にはトークンを使用することにした。それならば山を覆ってしまわないし、引き起こしそうなルール上の疑問の数も少なくなるからね。

〈探検家〉

最初、このカードは勝利点カードを公開しない限り、何の効果も発揮しなかった。〈属州〉を公開すれば〈金貨〉を獲得し、それ以外ならば〈銀貨〉を獲得していたんだ。そのバージョンでは強さが十分ではなかったから、結局は条件をなくした――何も公開しなくても、〈銀貨〉を得られるようにしたんだ。

〈漁村〉

これはいっときの間、三つ目の拡張セットに入っていた。「次のターン」の効果を持つカードをすべてのセットに入れるのはやめようと決めたとき、このセットに移した。長いこと、このカードは次のターンに+2アクションを与えるものだった(それ以外の部分は今と同じだ)。デベロッパーたちは、このカードが強すぎると考えた。だから私は、次のターンの効果を+1アクション分減らすことによって、ちょっと弱くすることにした。以前に比べれば、このカードは弱くなったと言えるだろう。だけど、今も変わらず十分に人気があるカードだ。

〈幽霊船〉

このカードには、もともと「3枚以下」と書かれていた。でも、そのせいでみんな混乱することになってしまっていた。たぶん、「以下」の部分が意味を持つことは決してないだろう。私は彼らの声に素直に従った。

〈停泊所〉

開発の途中、継続カードが多すぎるという意見がデベロッパーから出され、そのうちの一枚がセットから外されることになった。彼らはこのカードが〈隊商〉に似すぎていると考えていて、私はどちらかといえば〈隊商〉の方が貢献度が高いだろうと思ったから、こちらを外すことにした。でも開発の終盤に、セットが26枚になることになった――上でも述べたように、〈原住民の村〉などに使うカードを用意していたんだけれど、それがプレイマットになったからだ。そうして空いた最後のスロットを埋めるのは、簡単な仕事だった。このカードは人気があったし、よくテストされていたし、そのすべてが適していたからね。

〈島〉

開発の途中で、うまく動かなかったある勝利点カードと入れ替えるために、このカードを作った。デッキに入らない勝利点カードというのは、後のセットで別の方法をいくつか試していたが、このカードは『海辺』で最初にテストされた。

〈灯台〉

開発が始まった時、このセットにはリアクションが入っていなかった。Daleが一枚ほしいと言ったので、私は〈堀〉の継続バージョンを作った。〈巾着切り〉と同じタイミングの問題を引き起こさないよう、そのカードには何らかの「次のターン」能力を持たせる必要があった。「このターンと次のターンに+1コイン」という効果を試してみたが、アクションをそれだけで使いきってしまうようでは弱すぎた。〈堀〉ならば、アタックを防いでも、アクションを消費しなかったはずだ。〈堀〉の効果を発揮したあと、自分のターンにそれを〈改築〉したり、別の何かを使用したりできたからね。〈灯台〉は、アクションを消費しない限り防御してくれなかった。だから、+1アクションを持たせなければならなかったんだ。そうやって+1アクションを追加したときに、各ターンに+1コインではなく、「次のターンに+2コイン」という効果も試してみた。でもそれでは強すぎた。

〈見張り〉

〈礼拝堂〉の使い捨てバリアントがうまく動かなかったので、終盤にこの〈見張り〉と差し替えられた。デッキに残らない〈礼拝堂〉というのも魅力的だったが、そのカードにはあまり惹きつけられるものがなかったし、強すぎたんだ。もし収録するならば、弱くすると同時に、より魅力的なものにする必要があった。そう簡単なことじゃない。だから、単に別のカードと入れ替えることにしたんだ。〈見張り〉は最初、一枚を捨札にするのではなく、手札に加える効果を持っていた。それではどう見ても狂っていたから、弱めることになった。

〈商船〉

古くからあるカードで、まったく変更されていない。

〈原住民の村〉

もともとは、このカードで脇に置いたカードは確認できなかった。ゲストのプレイテスターとして招かれた Richard Gerfield *2 が、最初、脇に置いたカードを間違えて確認してしまった。それから彼はこう提案したんだ。どうして確認できるようにしないんだい、と。われわれは両方とも試してみたが、甲乙つけがたかった。最終的に、シリアスなプレイヤーは確認できない方を好むだろうと私は思った。だが、確認できるようにすれば、このカードは少しだけ強くなるだろう(そうなればシリアスなプレイヤーもこのカードをより使うようになる)。そしておそらくは、カードをあまりカウントしたがらないようなカジュアルなプレイヤーにも、もう少し魅力的なものになるだろう。最終的にわれわれが確認できる方を選んだのは、見てのとおりだ。

〈航海士〉

もともとこのカードには、見たカードを並び替える効果はなかった。でも、デベロッパーたちががそう変えたがるんじゃないかと私は思ったんだ。彼らは、似たような効果に似たような意見を出していたからね。そうすれば、カードの順番を変えないように気をつける必要はなくなるわけだ。彼らが実際にこのカードに文句を言うことはなかったが、いずれにせよ私はカードを並び替えてもよいよう変更した。そのおかげでこのカードは、ほんの少しだけ強くなった。

〈前哨地〉

このカードは、幾度となくテキストを変更される目にあった。その効果がほとんど変わらなかったにも関わらずだ。課題となったのは、1)わかりにくすぎるものであってはならない、2)無限のターンを得ることができてはならない、3)3ターンか4ターン連続することさえよくはない、4)〈玉座の間〉や〈戦術家〉と一緒に使われたときに明快で公正な結果にならなければならない、ということだ。〈玉座の間〉はやっかいなやつだよ。ある晩、私は数時間を費やし、可能そうな記述について Chris West と議論した。やれやれ、これが仕事ってやつだ。ゲームデザインというのは楽しい時間ばかりだろうと思っている人もいるだろうから、これは言っておこう。ときには、〈前哨地〉の書き直しに何時間も費やさなければならないこともあるんだ。まあとにかく、最良の方法は、通常通りのターンを行うが、その開始時に2枚の手札を捨てるというものだった。しかし、それでは強すぎた。繰り返しを防ぐ部分を削除してみたりもしたが、すぐに無限ターンができあがってしまった。追加のターンを得るごとに引くカードを2枚減らすようにしたこともあった。最終的には、「このカードによって連続して2ターン以上を得ることはできない」という乱暴な文を設けることになった。そのおかげで、よくない作用が決して起こらないことが保証されている。

〈真珠採り〉

〈停泊所〉と入れ替えるため、後の拡張セットから借用された。名前以外はテスト中に変わっていない。

〈海賊船〉

このカードは最初、盗んだ財宝の量に応じて得点が変わる勝利点カードだった。まさにフレーバー先行のデザインだ――海賊のやることといえば何だろう、というね。そのバージョンはクールに見えたが、あまり使われなかった。そのとき同時に、私は〈宝物庫〉を別の何かと入れ替えようとしていて、その際の選択肢のひとつに、「以下のひとつを選ぶ――カウンターを得る、または、カウンター1個につき+1コイン」というカードがあった。このカードを、〈海賊船〉の盗む行為と組み合わせられると気づいたんだ。そして実際にそうした。もともとは、〈海賊船〉で盗んだ財宝を表すために、廃棄されたカードを用いることにしていた。だが開発の終わりにさしかかったときに、カウンターを用いることになった。〈銀貨〉や〈金貨〉を廃棄しても得られるのは1コインだから、カウンターを用いる方がシンプルで、少しわかりやすくなるんだ。

〈引揚水夫〉

かなり古くからあるカードで、効果はまったく変更されていない。

〈海の妖婆〉

ずっと前に、「他のプレイヤーは山札の一番上のカードを廃棄し、〈混乱〉を1枚獲得して山札の一番上に置く」というようなカードがあった。〈混乱〉というのは、〈呪い〉に似ているが-1勝利点がないカードだ。〈混乱〉は〈呪い〉とあまり変わらないから、基本セットから取り除かれたんだ(30枚以上の〈混乱〉を用意するスペースがなかったからでもある)。そういうわけで、〈混乱〉を与えるカードも、すべて消えてなくなるか、変更されることになった。そのカードが〈海の妖婆〉の元になったのかどうかはわからない。でもいずれにせよ、ある時期に私は「山札の一番上に〈呪い〉を置く」というカードを作った。そして『海辺』にもう一枚アタックがほしくなったときに、これは次のターンというテーマにもふさわしいだろうから、持ってくることにした。山札の一番上のカードを捨札にするという効果がついているおかげで、何度も使われたとしても、〈呪い〉が山札の一番上にたまってしまうことがなくなっている。

〈密売人〉

これは「+2コイン。このターン、前のプレイヤーが購入したカードのコストは1コイン減少する」という効果で、四つ目の拡張セットに生を受けた。それでも悪くはなかったが、そのボーナスで興奮させられるようなことはあまりなかった。だから、前のプレイヤーが購入したものを参照するという要素は残して、もっといい効果に変更したんだ。「5コインまで」というのも試したが、どう考えても6コインまでに引き上げる必要があった。このカードの一番おもしろいところは、前のプレイヤーが購入したカードが本来いらないものあっても、それを得る機会を見送ることができず、結局は自分のデッキをゆがめてしまうという点だ。

〈戦術家〉

かつてこのカードのコストは3コインで、〈玉座の間〉を防止する節もなかった(「手札を捨てた場合」という部分だ)。開発のときには4コインで、最強のカードのひとつとして挙げられていた。5コインになっても、ちゃんと問題なく使用された。〈玉座の間〉を防止する節が加えられたのは、ずいぶんあとになってからだった。〈戦術家〉は強そうではあったが、問題があるほどじゃなかった。でも〈玉座の間〉とのコンボだけは馬鹿げていたんだ。こうやってコンボを単に潰してしまうというのも悲しいことだが、その変更によってカードの価値がそう傷つけられたわけでもない――うん、たしかに、〈戦術家〉と一緒に〈祝祭〉を4枚持っていても、そのうちの3枚しか使えなくなってしまったわけだけどね。だが、これが最良の方法だったんだ。

〈宝の地図〉

このカードはもともと、七つ目の拡張セットの残骸から持ってこられた。名前だけで選んだんだ。『海辺』に〈宝の地図〉を入れない理由なんてあるだろうか? 最初のバージョンは〈金貨〉を三枚獲得するだけで、山札の一番上には置かなかった。魅力的ではあったけれど、まだ実戦的な戦略ではなかった。〈金貨〉を山札の一番上に置くことで、次のターンというテーマにも結びつくようになったし、獲得する枚数を4枚に増やしたことで、使用するに足るものになったんだ。

〈宝物庫〉

これは、ルールに問題があったカードと入れ替えられたものだ。最終的にはその問題の対処法を考えだすことができたが、セットに入れる時間がなかった。そのカードはいつか別のセットに入ることになるだろう。

私はその入れ替えの際に様々なカードを候補に挙げたが、結局は、望む限り毎ターン使い続けられるカードということで落ち着いた。それは、このセットに入れようとずっと思っていたが、入れられていなかったものでもあった。このカードは、場に留まりつづけるのではなく、自分自身を別のカードと取り替えて(+1カードと+1アクションだ)、毎ターン山札の一番上に戻るんだ。「勝利点カードを購入していない場合に限る」という節は、それをよりおもしろくし、またフェアにしている。勝利点カードを購入したときには廃棄されてしまうというバージョンも作ったが、そのまま残るバージョンの方がよくできていた。

〈倉庫〉

このカードは開発の途中で追加した。えーと、別の何かと入れ替えたんだ。取り除かれたカードは何枚かあって、どれがどれと入れ替えられたのか、ちゃんと全部対応しているわけじゃないんだ。とにかく、何かと入れ替えられたわけだ。これもいくつかのバージョンを試したが、どれも+1アクションと、〈地下貯蔵庫〉に似た効果を持っていた。最初のバージョンは、好きな枚数のカードを捨札にして、捨札にしたカード1枚につき、2枚のカードから1枚を選んで手札に加えられるというものだった。その効果は馬鹿げていて、コストが3コインや4コインにはとても収まらなかった。私はそのくらいのコストのカードを求めていたんだ。次に作ったのは、2枚捨札にして4枚ドローし、また2枚捨札にする、というバージョンだった。それから4枚ドローして4枚捨札にするようになり、最終的には3枚ドローして3枚捨札にすることになった。

〈寄港地〉

もともとのバージョンには+1購入がなかった。〈商船〉と釣り合うように追加したんだ。

その他のカード

さて、収録されなかったカードもいくつかある。

  • かつてはこのセットにはもうひとつテーマがあったから、そのテーマを担うカードも入っていた。それらのカードは別のセットで世に出るのを待っているから、ここで話すのはやめておこう。他にも何枚かのカードが、このセットから旅立って、もっと落ち着ける後のセットに移住した。今ここで種を明かされたいカードはいないだろう。
  • 〈海の妖婆〉のところで話題に挙げたアタックと、〈密売人〉の元となったカードと、〈宝物庫〉と入れ替えられたカードがあった。
  • 〈闇市場〉は、もともとはこのセットに入っていた。Valerieが、その効果で購入するカードを準備しなければならないというのは突飛すぎると考えたので、取り除かれることになった。その後プロモが必要になったとき、Daleがこの〈闇市場〉でどうかと提案してくれたので、もちろん私はその案にとびついた。〈闇市場〉はセットの中でもとても人気があったから、生き延びられたのはすばらしいことだ。だが、〈闇市場〉デッキを作らなければならないのが面倒だというのも事実ではある。〈闇市場〉は、次のゲームからカードを持ってくるという点で、次のターンというテーマとちゃんと結びついている。プロモについて知らない人のために説明しておくと、それはSpielbox*3の付録となったもので、今はBGGがどこかでこのカードを販売している。目に入るものを狂ったようにクリックしまくれば、そのうち辿りつけるだろう*4
  • 今のターンと次のターンに効果を発揮する〈玉座の間〉のバリアントがあった。それによってアクションをひとつ使用し、そのアクションを次のターンにまた使用するんだ。それは混乱を招いたし、弱かった。そのカードで継続カードを使ったらいったいどうなるんだ? そのカードはいつまで場に残り続けるんだ? 継続でないアクションのみを対象とするようにしてもよかったが、このセットには継続カードが8枚も入っているのに、そんなことをしてしまったら悲しいことになってしまう。あと、そのカードが弱かったというのはもう言ったかな? 開発が始まるまでもなく、セットから取り除かれてしまったんだ。
  • 「X枚のカードを捨てる。+Xコイン」というカードが、しばらくの間このセットに入っていた。+1購入をつけたバージョンも作り、今のターンと次のターンに効果を発揮するバージョンも作ってみた。最終的には、それは『陰謀』の〈秘密の部屋〉となり、ここで挙げたバージョンは取り除かれてしまった。
  • 〈島〉と入れ替えられたアクション勝利点カードは、「サプライにあるコストが6コイン以下のカードを1枚廃棄する。このカードは、廃棄されている勝利点カード3枚につき1勝利点を持つ」というものだった。私はずっとこれをクールでおもしろいと思っていたが、実際にはあまり楽しくなかった。誰かがこれを使うと、他のみんなも相乗りしてくることになる。誰も使用しなかったり、他を圧倒したりすることもあるが、楽しいことには決してならなかった。それがセットを離れたとき、悲しむ者は誰もいなかった。サプライのカードを廃棄するカードが出てくる可能性はまだある。だけど実際に使ってみると、どれを選んでも大差ないような場面でどのカードを廃棄すべきかを考えるのは、ほとんど時間の無駄でしかないんだ。
  • 〈見張り〉と入れ替えられた使い捨てのカードがある。その効果は「これと手札を廃棄し、コストが3コイン以下のカードを1枚獲得する」というものだった。最初はもっと強かったが、弱くしたんだ。そのバージョンはひどいものに見えたが、でもまだ強かった。最終的にこのカードを取り除いたのは、すばらしい判断だった。いつか使い捨ての〈礼拝堂〉を収録する機会はまだあるが、それは、「手札を廃棄する」というものにはならないだろう。そうすると序盤でしか使えなくなってしまうし、たいてい1枚しか購入しないだろうし、その後に、最初のターンで買ったもう一枚のカードと一緒に引いてきてうめくか、そのカードだけを引いてきて喜ぶかのどちらかにしかならないからだ。
  • 今のターンと次のターンに効果を発揮するアタックがあった。今のターンと次のターンに、自分は2枚ドローし、相手は1枚捨札にするんだ。「他のプレイヤーはカードを1枚捨札にする」という効果がよくないということを、まだちゃんとわかっていなかった頃の話だ。そういうカードが複数回使用されることで、ターンを虐殺してしまう。これは結局〈幽霊船〉と入れ替えられた。
  • 「すべてのプレイヤーの山札の一番上のカードを見て、それを廃棄するか捨札にしてもよい」というアタックがあった。このカードに関しては、私が「他のプレイヤーの山札の一番上のカードを廃棄する」という能力をいくつも作っていた頃までさかのぼることできる。以前の「知られざる歴史」で話したとおり、この種類のカードにはいくつもの問題があることが証明されてしまった。そして今あるバリアントは、そういった問題をくぐりぬけることができている。その問題に気づいたときに、このカードは自動的に取り除かれた。

とまあ、こういうお話だったのさ。

*1: 勝利点の山に置いてもゲーム上問題ないということですね。

*2: 『マジック:ザ・ギャザリング』を生み出したデザイナーとして有名な人物。

*3: ドイツのボードゲーム雑誌。英語版も発行されています。

*4: BoardGameGeek Store で、0.01ドル(送料別)で販売されています。

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